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「スティール・ボール・ラン 23巻 24巻」感想

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震災後のゴタゴタと重なってしまったため、完全に時期を逃した本ネタですが、やはり書いておかねばなるまい。

「スティール・ボール・ラン(以下、SBR) 23巻 24巻 およびSBR全体」の感想です。

まず、完結直前の23巻。

これは予想外。SBRではラスボスがヴァレンタイン大統領であったので、ちょっと影の薄かったディオ、まさかの復活。

パラレルワールドの設定をたくみに利用した、スタンドを変えて(戻して)の登場には驚いた。

しかし、この辺のセルフパロディな要素は、以前にも言及したが、実にSBRらしいと部分と言えるかも知れない。

そして、完結24巻。

6/3に、twitter上で、「SBR24巻にてジョジョ第7部完結。良いラストだなぁ〜(泣)」とつぶやいた。これがSBRをラストまで読み終わった最初の感想だった。

ただ、これはジョジョ第7部としての感想なわけ。

SBRの評価は難しい。

そもそもSBRは、「ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーン・オーシャン」の壮大なラストによって、終了したかに思われた(※1)ジョジョサーガの後の、荒木飛呂彦の完全新連載として、ジョジョとは別物としてスタートした経緯があるからだ。

SBRは、北アメリカ大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」が舞台であり、それぞれの思惑でレースに参加する人間模様を描いたものであった。

最初はジャイロ主人公でスタートし、彼の目的も当然、レースの優勝であった。

しかし、途中で、連載が「少年ジャンプ」から「ウルトラジャンプ」に移動し、それに伴って、SBRは、正式に「ジョジョの奇妙な冒険 第7部」となった。

僕は、これはけっこう重要なことだと思っている。

作者の荒木飛呂彦は、雑誌のインタビューで「何を描いてもジョジョになる」と発言しているので、当初SBRがジョジョっぽかったのは当然のこととして受け止めていたが、「ジョジョっぽい」のと「ジョジョ正伝」であるというのは訳が違う。

結果、ジャイロがレースで優勝するという大前提が崩れ、主人公もジョニィ・ジョースターに、と大きく軸足を移しているからだ。

そのため、いつの間にか、レースの描写はどんどん少なくなり、代わりに「聖なる遺体」を巡る争奪戦が話の中心に。

個人的には「聖なる遺体」が単なるマクガフィン(※2)であったのが残念ではあった。

やはり「聖なる遺体」が揃った時にどうなるのかってのも、全体を引っ張る大きな謎として存在していたと思うので。

(「悪魔の手のひら」はこれまでの「弓と矢」のようなものなので、別にいいんだけどね。)

そして辿り着いたのが、このラストですよ。

当初の目的からすれば、このラストはどうなの?ということになる。

レースものとするならば、そもそも成立してないと言えるわけだから。

しかし、そのカタルシスを捨てて、「ジョジョの奇妙な冒険 第7部」としてのカタルシスを取ったのであろうと、僕は思う。

ジョジョファンとしては、やはりその方が嬉しいのではないだろうか。

実際、今回のラストシーンは、今までの「ジョジョの奇妙な冒険」の中でも屈指の出来だと思う。

連載開始当初、「ジョジョの奇妙な冒険」は第3部までの構想が既にあったらしい。

これは、第3部までの主人公の設定が、孫という繋がりで設定されているが、第4部以降では変則的な繋がりになっていることからも伺える。

僕は、第4部以降では、設定のせいで、微妙に未来を描かなくてはいけないというのが、実はジョジョにとってはマイナスポイントではないかなと思っていた。

SBRは、当初は正伝ではなかったおかげで、年代を19世紀末に設定できた。

そして、初期の構想外であったであろう第4部以降では、むしろ足かせとなっていたと思えるジョースターの家系という設定からも、今回の第7部をもって完全に自由になった。

既にスタートしている第8部「ジョジョリオン」の舞台は、驚きの「震災後の杜王町」になっている。

SBRの最大の収穫は、この設定の自由をもたらしたことかも知れない。


船上で天啓を得るジョニィ・ジョースター

"帽子屋っていうのはどうだろう"

※船上で天啓を得るジョニィ・ジョースター

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(※1)僕としては、ストーン・オーシャンのラストの後でも、ジョジョを続けることは可能だと思っていた。プッチの能力が解除されたため、世界は元に戻る。ラストではエンポリオが見知らぬ世界に取り残されるが、これはエンポリオだけがパラレルワールドに紛れ込んでしまったということであり、徐倫のいる基本世界の方では、むしろエンポリオだけがいない状態なのだろうな、と解釈していたからだ。

(※2)マクガフィン:物語の構成上は重要であるように思えるアイテムや仕掛け。ストーリーを進めるうえでは重要であるが、それ自体は他のものに置き換えても差し支えがないもので、必ずしも正体が明かされるとは限らない。






 


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